PayPal発ステーブルコインPYUSD、時価総額が10億ドル突破へ
決済会社大手ペイパルが開発したステーブルコインPYUSDはこのほど、2023年8月の誕生から1年が経過し、執筆時点の時価総額は10億ドル(約1400億円)を 超えた。
これは、ソラナ(SOL)ブロックチェーン上の分散型金融(DeFi)による採用が増加したことが大きな要因と考えられている。
また、PYUSDを保有する月間アクティブウォレット数も、5月の9400から7月の2万5000まで 増加している。
ソラナ展開が成長牽引
ステーブルコインPYUSDは、商取引と決済に利用されるデジタル資産を目指し、2023年8月にイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上に公開された。
しかし、ネットワーク上のオンチェーン活動量が減少したこともあり、時価総額の成長は鈍化していた。
その後(2024年5月)にソラナへ展開され、供給量は3ヶ月で7億ドルに迫る勢いを見せている。
また、ソラナ上のDeFiである「Kamino Finance」、「marginfi」、「Drift」は、同ステーブルコイン預金者への報酬率を引き上げた。
これにより、ソラナにおける同ステーブルコインを採用する投資家が増加し、時価総額を大きく伸ばしたと考えられている。
ソラナ上のPYUSD、供給量でイーサリアム上回る
ステーブルコイン市場全体も成長
ステーブルコイン市場(アルゴリズム型を除く)の時価総額は、2022年3月に記録した約1670億ドルを上回り、約1680億ドルに達している。
多くの 暗号資産(仮想通貨) は変動性が大きく、投資家にとってステーブルコインは「安定資産」として重宝されている。
中でも、テザー社が発行するUSDTとサークル社が発行するUSDCが時価総額の大部分を占めており、それぞれ約1100億ドルと約340億ドルとなっている。
BTCMarketsのレイチェル・ルーカス分析官は、ステーブルコインの時価総額の最高値更新を受けて、以下のように述べた。
「ステーブルコインの時価総額の増加は、特に機関投資家からの仮想通貨市場への信頼の高まりを反映している可能性がある。」
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