ビットコイン、米ETFフローの復調で見えた新たなパターン【仮想通貨相場】

cointelegraph-jp-btc2024/07/10 10:03

著者:Cointelegraph Japan

著者松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・じり高で58,000ドル台半ばのレジスタンスに迫る

・Mt.GOXの移動は無し、独当局は2億ドルの売り、米ETFはIBIT前で1億ドルの買い、

・Mt.GOX弁済を先回りしたショートの買戻し、ETFの押し目買いで底堅い

・アジア時間に売られても、米時間に買い戻されるパターン続く

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は底堅い展開。

一昨日、58,000ドル（約935万円）台半ばから失速したが、昨日未明にかけて55,000ドル（約885万円）近辺で切り返すと、58,000ドル台に値を戻している。

BTCは金曜日にMt.GOXの債権者への弁済が始まったことを受け一時53,000ドル台に急落したが、実際に移動したのは1500BTC程度と判明し反発。

7月1日からの下落の半値戻しと200日移動平均線（200MA）が重なる強めのレジスタンスの58,000ドル台半ばで上値を押さえらた。

週明けはMt.GOX関連の売り懸念で54,000ドル台に下落したが、結局、同社のウォレットからの移動は無く反発。しかし、ドイツ当局からの移動が16,000BTCに上ったことが判明すると55,000ドルに失速した。なお、その後、3,000BTCの返却があり、ネットで13,000BTC（約7億ドル）の売却だった模様。

しかし、共和党が公約で公式に暗号資産支持方針を打ち出したこと、ETH ETFの申請書類の再提出が完了、ブルームバーグのアナリストが7月18日承認と予想、米ETFフローが294百万ドルと1か月ぶりの高水準となったこともあり、BTCはじりじりと値を上げていった。

海外時間に入り独当局の売却が始まるとBTCは若干上値を重くするも、注目のパウエル議長の議会証言が始まると58,000ドル台に乗せたが、前日のレジスタンスに跳ね返され失速した。

証言の内容は、労働市場の軟化を指摘しつつ、更なる良好なデータが欲しいと利下げの時期への言質は与えないバランスの取れた内容で、タカ・ハトいずれにも解釈可能な内容だったため、株やBTCなどは緩和期待でリスクオンで反応する一方、為替はドル買いで反応、金利は上下に行って来いとなるなど各市場はまちまちな反応を見せた格好だ。

その後、3年債入札が好調に終わったことで、米長期金利が低下、リスクオンの流れの中で、BTCは再び58,000ドル台半ばのレジスタンスをトライしている。